事業年度終了届(決算変更届)とは?提出期限・必要書類・出さないリスクを解説
事業年度終了届(決算変更届)とは
事業年度終了届とは、建設業許可を受けている事業者が毎事業年度の終了後に必ず提出する届出です(建設業法第11条第2項)。呼び名は都道府県によって異なり、愛知県では「事業年度終了届」と呼ぶのが一般的です。他の地域では「決算変更届」「決算届」などとも呼ばれますが、内容は同じものです。
「変更届」という呼び名もありますが、何かを変更したときだけ出すものではありません。決算を迎えたら毎年必ず提出する、建設業許可業者の義務です。
提出期限
事業年度終了後4ヶ月以内です。
| 決算月 | 税務申告の期限(2ヶ月以内) | 事業年度終了届の期限(4ヶ月以内) |
|---|---|---|
| 3月決算 | 5月末まで | 7月末まで |
| 6月決算 | 8月末まで | 10月末まで |
| 9月決算 | 11月末まで | 1月末まで |
| 12月決算 | 2月末まで | 4月末まで |
税務申告(決算後2ヶ月)より2ヶ月あとに期限が来るため、「税理士の申告が終わってから準備を始める」流れで間に合います。
必要書類一覧
法人の場合の主な提出書類は次のとおりです。
- 変更届出書(決算報告) — 表紙にあたる書類
- 工事経歴書(様式第2号) — その期に施工した工事の一覧
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
- 財務諸表(様式第15号〜第17号の3) — 貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表
- 都道府県民税・事業税の納税証明書 — 直近の事業年度分。愛知県では原則として県税事務所発行の納税証明書が必要です
このうち最も手間がかかるのが4の財務諸表です。税理士が作成した一般的な決算書(税務申告用)をそのまま添付することはできず、建設業法で定められた独自の様式に勘定科目を組み替えて作成し直す必要があります(売上高→完成工事高、売掛金→完成工事未収入金 など)。
なお、納税証明書は税務申告・納付の直後だと県税事務所側にデータが反映されておらず、すぐに発行できない場合があります。申告から少し日を置いてから取得するとスムーズです。
出さないとどうなる?3つのリスク
- 許可の更新ができない — 直近5年分の事業年度終了届がそろっていないと、更新申請が受け付けられません。「更新直前に5年分まとめて作成」となると、財務諸表5期分を一気に作ることになり大変です
- 業種追加・経営事項審査ができない — 公共工事に必要な経審も、事業年度終了届の提出が前提です
- 罰則の対象になる — 届出を怠ったり虚偽の届出をしたりした場合、建設業法上の罰則(6ヶ月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。建設業法第50条第1項第2号)の対象になり得ます
提出方法は3つ
| 方法 | 向いている人 | 費用感 |
|---|---|---|
| 自分で作成(完全手作業) | 時間があり、様式の組替えルールを学べる方 | 0円(作成・確認の時間コスト大) |
| 自分で作成(サポ10を活用) | 手間を抑えて自分で作成したい事業者・業務を効率化したい行政書士 | 無料から(決算書PDFから自動転記) |
| 行政書士に依頼(完全外注) | 書類作成から提出まで任せたい方 | 数万円程度 |
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よくある質問
- Q. 工事をしていない年度も提出が必要ですか?
- A. 必要です。工事実績がなくても「実績なし」として毎年提出します。
- Q. 個人事業主も対象ですか?
- A. 建設業許可を受けていれば、法人・個人を問わず毎年提出が必要です(個人は様式が一部異なります)。
- Q. 過去分を出し忘れていました。今からでも出せますか?
- A. 出せます。むしろ更新申請までに全期分の提出が必須なので、気づいた時点で早めの提出をおすすめします。
- Q. 工事経歴書の書き方に決まりはありますか?
- A. あります。記載する工事の並び順や元請・下請の区分、金額の税込・税抜の統一など、手作業だと間違えやすい細かいルールが定められています。
根拠条文・参考資料
- 建設業法 第11条第2項(毎事業年度経過後4ヶ月以内の届出義務)
- 建設業法 第50条第1項第2号(届出義務違反の罰則)
- 愛知県「建設業許可申請の手引」(事業年度終了届の提出書類)